特定非営利活動法人 イージェイネット(Ejnet)

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Ejnetメルマガバックナンバー・第15号

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◆◇NPO法人イージェイネット メールマガジン第15号◇◆ 
「時代をリードする医療人が働きやすい病院の作り方、お教えします」 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2011/2/28 ━━━ 
◆◇━━━━━━━━◆◇◆今月のニュース◆◇◆━━━━━━━━━◆◇ 
〔1〕医師にとっての働きやすい病院の条件とは
            ~病院勤務の中堅勤務医の視点から~    
  ●北里大学医学部 衛生学公衆衛生学・産婦人科専門医 太田 寛氏
〔2〕平成22年度「大学病院マネジメントセッション」事例発表のご報告
 *島根大学医学部附属病院・解剖学講座神経形態学 津森 登志子氏
〔3〕今後のイベント
  ①香川県:女性医師の勤務環境の整備に関する講習会
  ②東京都:医療人マナー&コミュニケーション講習会 
〔4〕ホスピレート説明会の日程(3月分)  
〔5〕NPO法人イージェイネット メルマガ事務局よりお知らせ 

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〔1〕医師にとっての働きやすい病院の条件
            ~病院勤務の中堅勤務医の視点から~
医師の不足が叫ばれるようになって、数年が過ぎた。うまく対応して医師
を増やした病院と、そうでない病院がある。以下に私が医師として就職し
たいと思う病院の条件を挙げてみた。
1. 医師を含めたみんなが働きやすい病院になるようにと、協力してがん
 ばっている
2. 医師としての技術や知識を伸ばすことができる
3. 優秀な看護師、助産師がいる
4. 仕事に見あう報酬がある
5. 子供の教育環境が良い
6. 家庭と両立できるだけの休みがある
このような条件を満たすには、その病院で働いている医師はもちろん、看
護師、検査技師、リハビリ、事務、営繕、給食などの多くの職種の協力が
必要である。病院は医師だけで成りたっているわけではない。
できれば、院長、事務長、看護部長、医師などの管理者は、年に何回かは
自分の病院を受診してみてはどうだろうか。一般の受診者と同じ条件で受
診してみると、内部にいてはわからなかった、改善点が見えてくることだ
ろう。問題の部署には、人員が足りなかったり、改善の意見が通りにくか
ったりなどの働きにくい状況があったりするものである。労働者が働きや
すい職場を作っていくことは、良い医療を続けていくためにも必要なこと
だと思っている。
昨年、「臨床医のためのパブリックヘルス」(中外医学社)で産科医師の
減少や産科医不足に対する方策について書かせていただいた。現在の産婦
人科医の年齢分布では、中心になっているのは50歳代、若手は女性が70%
程度を占めている。10年後には50歳代の医師が一線を退き、若手の女性医
師は自身の出産や子育てが始まり、産婦人科不足は悪化する可能性が高い。
産婦人科の危機を避けるための方策をいくつか挙げたが、その中で1つだ
け実現できるとしたら、医療にはリスクがあるという認識を一般の人と共
有することだ。人間には寿命があり、最終的な死亡率は100%。医療には
限界があり、力を尽くしても避けられない死があることを、一般の人たち
と共有することができれば、不必要な争いを避けることができる。理不尽
と思われるクレームに対処することは、大きなエネルギーを必要とする。
結果が悪ければ、善意で行った医療が裁かれるかもしれないという不安は、
現場の医師が立ち去る大きな原因の1つだと思う。これが目に見える形で
実現できれば、お金もかからず、多くの産科医を勇気付ける方策だと思う。
その他にも、この本には医療制度を支える厚生労働省や保健所の役割、医
療費の仕組みなどについて書かれていて、自分には直接見えていない部分
が医療を支えてくれていることを再認識できるだろう。
子供たちの世代にも安心できる医療体制を残していくためには、働き続け
られる職場が必要である。そのためには、自分の周囲での改善を行いなが
ら、同時に医療制度や法律を変えていかなくてはならないと思う。
同じように考えてくれる人が増えるとうれしい。
臨床医のためのパブリックヘルス 中外医学社
監修 相澤好治(北里大学副学長)  
編集 和田耕治 太田寛(北里大学医学部衛生学公衆衛生学)
A5判 178頁 定価2,940円(本体2,800円+税)
ISBN978-4-498-07110-0
●北里大学医学部 衛生学公衆衛生学 産婦人科専門医 太田 寛氏
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〔2〕平成22年度「大学病院マネジメントセッション」事例発表のご報告
 *島根大学医学部・解剖学講座神経形態学 津森 登志子氏
  (附属病院ワークライフバランス支援室 副室長)
 平成23年2月3日(木)、つくば市で開催された平成22年度大学病
院情報マネジメント部門連絡会議で、大学病院における人材育成や人事制
度を検討する「大学病院マネジメントセッション」が実施されました。今
年度のテーマは「マネジメントを人の視点から考える~個人から組織、そ
れを動かす仕組み」と設定され、島根大学医学部附属病院からはワークラ
イフバランス支援室が取り組み内容と事業効果について発表しました。事
例呈示後のパネルディスカッションでは、当支援室の病児・病後児保育室
の運営や院内保育所の終夜保育についての質問が寄せられ、両立支援策が
充実した本院の就労環境にフロアからも高い関心を示していただきました。
↓当日行った発表内容です。
↓当日の詳細は、以下のホームページでご覧になれます。
 本院のワークライフバランス支援室では、今年の1月から新企画「ラン
チョントーク」を開始しました。これは、学生や研修医が昼休みの時間帯
に集まり、ワークライフバランスやキャリアプランについて先輩の体験談
を聞いたりお互いにディスカッションしたりしながら、医療職としてのモ
チベーションアップを諮ろうとする企画です。様々な立場の先輩医療職を
ゲストに招き、今後毎月開催して行く予定です。学生の関心度は高く、初
回、2回目とも定員いっぱいの参加者が集まりました。
↓当日の詳細は、以下のホームページでご覧になれます。
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〔3〕今後のイベント
①香川県:病院長、病院開設者・管理者・事務長、女性勤務医対象
 『女性医師の勤務環境の整備に関する講習会』
プログラム
【報告】
 1)香川大学医学部附属病院ワークライフバランス支援室の取り組みについて
  ・香川大学医学部皮膚科学教室  助教 森上 純子氏
 2)医学生と医師の卒後キャリア形成に関する情報交換会報告
  ・香川大学医学部附属病院地域医療教育支援センター
                         特命助教 泉川 美晴氏              
【特別講演会】
  「『働きやすい病院』認定を受けて
           ~貴院は医療従事者に選ばれる病院ですか~」
  ◆医療法人創和会 しげい病院理事長・院長  重井 文博氏
【日時】平成23年3月17日(木)午後4時~6時
【場所】香川県医師会館 3階 大会議室
【主催・申込先】
    香川県医師会  Tel087-823-0155
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②東京都:医療人マナー&コミュニケーション講習会 
                    ~サルでもわかる実践術~ 
 日本の企業の新人社員教育は、世界的にも非常に優れたものですが、医学生
や研修医は、社会人としてのマナーやコミュニケーション術を学ぶ機会が少な
いのが現状です。また、お客さん相手の一般的なビジネス・ マナーと医療人
として求められるマナーは異なります。そこで、医学生や研修医が医療人とし
ての実践的なマナーやコミュニケーション術を楽しく学べるような参加型の講
習会を企画致しました。 
【講師】 杉原正子(すぎはらまさこ) 
早稲田大学医療人類学研究所 
                             客員研究員(イージェイネット会員)         
【プロフィール】 
    日本IBM(株)にてシステムズエンジニア(SEとして5年半勤務した後、
    米国ハーバード大学 大学院比較文学科留学、私立高校の非常勤講師
   (現代文、医療系小論文指導)などを経て東京大学大学院総合文化研究
    科博士課程単位取得退学。2010年3月、山梨大学医学部卒業。
    2010年5月より現職。 
【内容】  
・自己紹介法、話し方、敬語、討論や司会の練習  
・簡単なインフォームド・コンセントの練習  
【日時】 3/27(日) 13:30から15:00位 
【会場】 アポプラスステーション株式会社セミナールーム 
     JR飯田橋駅、東京メトロ飯田橋駅より徒歩3分 
     〒102-0071  
     東京都千代田区富士見二丁目7番2号ステージビルディング 
【対象】 医学生、研修医 50名 
(今回は初回なので、より上級の医師にもご参加頂き、ご意見やご助言を頂戴
できればと思います。) 
【会費】 無料(当日配布するアンケートに必ずお答え下さい。)
【お問い合わせ先】杉原まで waruko_sugihara@yahoo.co.jp
*講習後に懇親会を開き、マッチングや国家試験対策の情報交換も行う予定です。 
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〔4〕働きやすい病院評価事業(ホスピレート)説明会(3月) 
【東京会場】 
日程:H23年3月29日(火)18:30~19:30
場所:東京都港区西新橋1-5-8 西新橋1丁目川手ビル8F 
(JR新橋駅 日比谷口下車徒歩7分) 
【大阪会場】 
日程:H23年3月25日(金)14:00~15:00
場所:大阪市中央区本町 1-6-16 野村不動産 堺筋本町ビル8階 
(大阪市営地下鉄 堺筋線・中央線 
堺筋本町駅 13番出口より東へ徒歩2分 
堺筋本町駅 5番出口より北へ徒歩3分) 

******<♪NPOイージェイネット メルマガ事務局よりお知らせ♪>******** 
3月配信(第15号)のメルマガはいかがだったでしょうか?今号は北里大学
医学部の太田先生から、中堅勤務医の視点から働きやすい病院作りについて
のメッセージを頂きました。大変お忙しい中ありがとうございました。
メルマガ内でも取り上げました「臨床医のためのパブリックヘルス」著書内
では、第3章の5「産科医師の減少と産科医療を救うための制度設計」に、
イージェイネットのホスピレート事業についても取り上げて頂きました。特
に産科医療の現状とその対策については、とても分かりやすくまとめて書か
れておられますので、ぜひ御一読をオススメいたします。
また今後も、引き続き当NPOのホスピレート認証を実際に受けている病院より
教えて頂いた「働きやすい病院づくり」のポイントなど、参考になる情報を
定期的にお届けする予定です。今後もよろしくお願い申し上げます。(藤川) 
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NPO法人イージェイネット  http://ejnet.jp/ 
(特定非営利活動法人 イージェイネット(女性医師のキャリア形成・維持
・向上をめざす会)) 
NPO法人イージェイネットブログも更新中!  
このメルマガに対し、ご意見・ご感想・ご質問がありましたらメルマガ担当 
の藤川までご連絡をお願いします。 
(お問い合わせ先  ejnet-office@umin.ac.jp  メルマガ担当藤川) 
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皆様へ配信中です。宛先変更・配信停止は ejnet-office@umin.ac.jp までお
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