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◆◇NPO法人イージェイネット メールマガジン第18号◇◆
「時代をリードする医療人が働きやすい病院の作り方、お教えします」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2011/5/30 ━━━
◆◇━━━━━━━━◆◇◆今月のニュース◆◇◆━━━━━━━━━◆◇
〔1〕「働きやすい病院」認定に向けた当院の取り組みとその効果
●岐阜市民病院 病院長 冨田 栄一氏
〔2〕これからのイベント情報
福井県:第24回 福井県母性衛生学会 プログラム
〔3〕イージェイネットよりお知らせ
①製薬企業 ダイバーシティ ネットワーク(PIDN)第9回Meeting
にイージェイネットの瀧野代表が参加します。
②働きやすい病院評価事業(ホスピレート)説明会(6~7月)
〔4〕メルマガ事務局より編集後記
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〔1〕「働きやすい病院」認定に向けた当院の取り組みとその効果
当院は、病床数609床の地域医療支援病院で、岐阜市の中西部に位置し、
地域の中核病院としての役割を担っています。平成22年に「働きやすい病
院」として認定を受けましたが、それまでの取り組みの現状とその後の経
過について述べさせていただきます。
病院の機能評価として、財団法人日本医療機能評価機構による評価はす
でにVer6になっており、多くの病院がその基準に沿った改善努力をして認
定されています。当院も、平成14年、19年に評価認定を受けていますが、
これらの多くは患者さんの視点からのものであり、働く職員の視点からの
ものが少ないと思われます。ちなみに、当院が受審したVer5では、6.1
人事管理 の中で一部項目があるのみでした。
一方、平成18年の診療報酬改訂後には、当院でも職員のモチベーション
が低下し、“医療崩壊“が足下まで迫ってきていました。その頃、幹部の
医師たちから、普遍的な目標を設定してほしい、との要望があり、熟慮の
結果、病院としての理念を、WHOのdynamic, spiritual を参考にして、ス
ピリチュアルな医療→“(自分の)心にひびく医療の実践”にしました。
その実現のためには、職員が生き生きと働くことができる環境作りが必要
でした。
しかし、働きやすい病院、と言っても主観的なものであり、客観的な
評価方法が必要であると感じていました。そんな時、平成20年11月岐阜県
看護協会のシンポジウム「看護職員就労環境改善普及・啓発事業」講演会
に特別講師として招かれた、当時の北野病院長・山岡義生先生から、NPO
法人ejnet「働きやすい病院」の評価システムがあることを教えていただ
き、ぜひ客観的な評価を受けたいと考えて受審の申し込みを行いました。
平成21年に3月に申し込み、22年1月に書類審査を受け、22年2月に訪問
審査を受けました。同年3月28日に同法人から認定を受け、やっと客観的
な評価を得ることができました。これによって、医師、看護師たちが、
自分たちの病院を多少は評価するようになり、自虐的な意見は少なくなっ
たと思われます。
取り組みの実際としては、最大多数の職員である看護部のヒアリングを
院長自身で行い、各部署における現場の意見を順に聞いていきました。そ
して解決できる問題点は早く手を打ち、課題も取り上げていきました。一
方、病院としては,副院長をトップにして「総合対策プロジェクトチーム」
を立ち上げて、働きやすい環境作りのための具体的な課題を取り上げてい
きました。行ったことは、教育・研修及び支援体制の整備、多様な勤務体
制の導入・活用、子育て支援(勤務体制・託児所)、職種間等での業務分
担の見直し、給与面での処遇向上、暴力・難クレーム対策、メンタルサポ
ートなどですが、これらは一つの施策で十分という訳ではなく、一つ一つ
の積み重ねが大切であると考えています。その後は、「職場環境改善支援
委員会」として、総合的に職員の働きやすい環境づくりのために活動して
います。
以上が現在までの経過ですが、認定をゴールとせず、今後も就労環境の
改善などに積極的に取り組んでいく予定です。厳しい医療現場の中で、限
界はあるにしても、少しでも働きやすい環境を作る努力をすることが,医
療の質の確保や安全につながるものと考えています。
↓岐阜市民病院のホームページです。
●岐阜市民病院 病院長 冨田栄一 氏
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〔2〕これからのイベント情報
<<第 24 回 福井県母性衛生学会 プログラム>>
【日時】 2011 年 6 月 19 日 (日曜)
【場所】福井県済生会病院 研修講堂
10:45 ~ 特別講演
「悲しみに寄り添うために ― 周産期の緩和ケアとグリーフケア ― 」
淀川キリスト教病院・小児科副部長 和田浩先生
13:40 ~ 東日本大震災関連緊急フォーラム
「被災地のお母さんを助けよう、
災害支援の中で見落とされている妊産婦ケアについて」
ファシリテーター:
●吉田穂波(ハーバード公衆衛生大学院・産婦人科医)
パネリスト:
●宗祥子(松が丘助産院院長・助産師)
●太田寛(北里大学医学部公衆衛生学講座・産婦人科医)
●大塚恵子(東京大学大学院国際地域保健学教室・小児科医)
●山上実紀
(ひだクリニック心療内科 / 一橋大学社会科学研究科・心療内科医)
●藤岡洋介(家庭医)
*一般演題以外に、特別講演、緊急フォーラムを予定しています。
学会員以外も参加できます。
*詳しいお問い合わせは、福井県済生会病院 産婦人科 里見まで。
satomin02@hotmail.com
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〔3〕イージェイネットよりお知らせ
①製薬企業 ダイバーシティ ネットワーク(PIDN)第9回Meetingに代表
瀧野敏子が参加します。
*MSD株式会社人事部門 人事グループ ダイバーシティ&インクルージョン
チーム からの招聘によります。
【日時】5月27日(金)
【時間】10:00-12:00 (Meeting)
【場所】MSD株式会社本社
(〒102-8677 東京都千代田区九段北1-13-12 北の丸スクエア)
【議題】イージェイネット講演会報告
大学・医療機関との連携事例報告
社内のMRネットワーキング事例発表(各社)
PIDN版・MRネットワーキングプログラム等の検討
*MSD株式会社は、2010年10月、万有製薬株式会社とシェリング・プラウ株式
会社が統合して誕生しました。
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②働きやすい病院評価事業(ホスピレート)説明会(6~7月)
【東京会場】
日程:H23年6月21日(火) 午後1時~2時
H23年7月19日(火) 午後1時~2時
場所: 株式会社アポプラスステーション 会議室
〒102-0071 東京都千代田区富士見二丁目7番2号
ステージビルディング9F・10F
JR飯田橋駅 東口/西口 徒歩3分
東京メトロ 飯田橋駅 東西線 A4出口、有楽町線/
南北線 B2a出口 徒歩2分
【大阪会場】
*説明会は2週間程度前までにお申し込いただければ、随時開催を致します。
場所: 株式会社アポプラスステーション 大阪支店 会議室
〒541-0043
大阪府大阪市中央区高麗橋四丁目3番7号 北ビル5階
大阪市営地下鉄 御堂筋線 淀屋橋駅12番出口より徒歩2分
★お問い合わせはイージェイネット事務局まで ejnet@ejnet.jp
******<♪NPOイージェイネット メルマガ事務局より編集後記♪>********
5月配信(第18号)のメルマガはいかがだったでしょうか?
岐阜県シリーズ第3弾になる18号では、ホスピレート認証病院でもあります
岐阜市民病院・病院長の富田先生にご執筆頂きました。院内で「職場環境改
善支援委員会」を立ち上げられ、働きやすい環境づくりのために様々な取り
組みを行っているというご報告では、メルマガ読者の先生方にとっても参考
になったかと思います。次号では岐阜市民病院様にQ&Aにお答えいただく予
定ですので、次号もお楽しみに!
富田院長先生には大変お忙しい中ご執筆頂き、誠にありがとうございました。
今後も、引き続き当NPOのホスピレート認証を実際に受けている病院より教
えて頂いた「働きやすい病院づくり」のポイントなど、参考になる情報を
定期的にお届けする予定です。今後もよろしくお願い申し上げます。(藤川)
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NPO法人イージェイネット http://ejnet.jp/
(特定非営利活動法人 イージェイネット(女性医師のキャリア形成・維持
・向上をめざす会))
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(お問い合わせ先 ejnet-office@umin.ac.jp メルマガ担当藤川)
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