特定非営利活動法人 イージェイネット(Ejnet)

医療業界の就労環境改善や、適正な人材評価が行われるための仕組みづくりをお手伝いします。

Ejnetメルマガバックナンバー・第48号

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◆◇NPO法人イージェイネット メールマガジン第48号◇◆
「時代をリードする医療人が働きやすい病院の作り方、お教えします」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2013/11/30 ━━

◆◇━━━━━━━━◆◇◆今月のニュース◆◇◆━━━━━━━━━◆◇
〔1〕『 大阪厚生年金病院における
            短時間正社員制度への取り組みの経緯(後編)』
   ◆大阪厚生年金病院 名誉院長         清野 佳紀 氏
〔2〕イージェイネット事務局からのお知らせ
   ①津森登志子先生の論文をイージェイネットHPにて公開しています
    「外部資金獲得を機に開始された
           島根大学での女性研究者・医療職支援事業の紹介」
    ②『 女性医師復職・継続就労支援と臨床研究のシンポジウム(東京)』
  ③ NPOイージェイネット第9回通常総会(正会員のみ)
〔3〕メルマガ事務局より編集後記
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〔1〕『 大阪厚生年金病院における
            短時間正社員制度への取り組みの経緯(後編)』

 前回お話しましたように、ひとくちに女性医師支援と言っても、あらゆ
ることを想定して各部門に無理やひずみのないように環境を整備しなけれ
ばなりません。
 たとえば、保育環境を整備するということは、ある程度コストをかけれ
ば保育所や病児保育室を設置することは可能です。しかしながら、女性医
師支援として、短時間正社員制度を導入するなどの勤務制度のソフトにか
かわる問題となると、あらゆる方面に気を配る必要があります。他の職員
にしわ寄せがいかないように、職員の数を増やしながら、制度を導入しな
ければなりません。
 まず、他の職員が、子育ての女性医師だけが得をするという風に思わな
いようにしなければなりません。そのためには、子育ての場合だけではな
く、両親の介護やあるいは自分自身の療養のためにも、そのような短時間
制度を使えるようにして、職員全員に公平感を与えなければなりません。
 また、給与ベースを微妙に調整することも必要です。短時間正社員制度
は、もちろんフルタイムで働く人に比べて、減額されるし、残業や当直を
しない人はその分減額されます。
 たとえば、当院では 毎日3時間程度残業する人に比べて、4時に帰宅す
る人は年俸で半額程度になります。このようにすると、毎日残業する人に
とっても、ある程度の公平感が生まれることになります。
 このような制度を確立していく場合、管理職としては、人件費がかかり
すぎて、収益を圧迫するのではないかという不安が生まれます。私も当初
はそのように考えていました。ですから職員の増員は一歩ずつ進めていき
ました。今となって10年間の病院の業績をふりかえってみると、結局、医
師や看護師を増員すると人件費は増えますが、それ以上に医療収益が増え
るということに気がつきました。その結果、10年間に人件費率も低下した
のです。
 医師や看護師を増員することは、つまるところ経営資源を増やすことに
なり、人件費のコストより収益を増大させることがわかりました。
 みなさんも是非実践してみてください。
↓大阪厚生年金病院のホームページです。
  ◆大阪厚生年金病院 名誉院長          清野 佳紀  氏
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〔2〕イージェイネット事務局からのお知らせ
 
①島根大学で男女共同参画への先進的試みに中心的に取り組まれてこられた
 津森登志子先生(現・県立広島大学 保健福祉学部 看護学科(解剖学)
 教授)による女性研修者/医療職支援についての論文をご紹介いたします。
「外部資金獲得を機に開始された
           島根大学での女性研究者・医療職支援事業の紹介」
  県立広島大学保健福祉学部看護学科  津森 登志子 氏
【要約】
 島根大学では、2007年文部科学省のGoodPractice「地域医療等社会的ニー
ズに対応した質の高い医療人養成推進プログラム」に、翌年には文部技術振
興調整費による「女性研究者支援モデル育成」事業に採択されたのを機に、
全学的な女性研究者・医療職支援事業が開始された。2010年までの事業期間
中様々な取り組みが施行されたが、育児中の若手教員・大学院生・医員に対
するキャリア継続支援策として実質的に効果が高かったものは、病児・病後
児保育や一時託児を含む保育支援と研究時間確保のための研究支援員配置制
度であることが明らかになった。
 外部資金獲得後も大学独自予算でこれらの施策を継続することは、子育て
期の学内の教職員・学生のモチベーションアップに繋がるだけでなく、優秀
な若手研究者・教員を大学にリクルートする場合の有効なツールになること
が期待される。
出典:『解剖学雑誌』 第88巻 第4号 
   特集「男女共同参画の実現に向けて~多様な取り組みに学ぶ~」   
★活動報告ページ
★出版・メディアページ(PDFにて論文が読めます)
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②『 女性医師復職・継続就労支援と臨床研究のシンポジウム(東京) 』
 聖ルカ・ライフサイエンス研究所では、平成25年度厚生労働省科学研究
補助金により記日程にて女性医師復職・継続就労支援と臨床研究というテ
ーマでシンポジウムを行います。皆様の積極的なご参加をお待ちしており
ます。
開催日:平成25(2013)年12月23日(月)13:30~19:00
会 場:聖路加看護大学1階講堂
        アリス・C・セントジョンメモリアルホール
定 員:80名 ※定員になり次第締め切らせて頂きます
対 象:臨床研究や疫学研究にご興味がある若手医師、
      医療機関における女性医師の就労継続・復職支援にご興味がある方
参加費:無料
※本シンポジウムは平成25年度厚生労働省科学研究補助金によって運営し、
「研究マインドを持つ臨床医に対する疫学教育プログラムの開発と基盤整
備」の一環として実施しています。
お申し込み・詳細のご案内:以下のURLからエントリーをお願い致します。
<チラシ>
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③特定非営利活動法人イージェイネット
           -女性医師のキャリア形成・維持・向上をめざす会-
 第9回通常総会
 日時:平成25年12月1日 (日曜) 15時~17時(予定)
 場所:アポプラスステーション株式会社 会議室(東京・飯田橋)
 *イージェイネット正会員様のみのご案内になります。
 詳細はイージェイネット事務局までお問い合わせください。

******<♪NPOイージェイネット メルマガ事務局より編集後記♪>*******
 11月配信(第48号)のメルマガはいかがだったでしょうか?
 先月に引き続き大阪厚生年金病院名誉院長の清野先生より、 大阪厚生年金
病院における短時間正社員制度への取り組みの経緯(後編)のコラムをご提
供頂きました(楽しみにしていた先生方も多いと思います~)。
 実際に短時間正社員制度にどのように取り組めば良いかと考えておられる
病院長や管理職の皆様にとって、誰もが納得できる公平感のある制度にすべ
きという明瞭簡潔な回答を頂いた印象です。しかも医療収益の増加につなが
る効果も得られたということで、人材=人財であると感じました。清野先生
には2か月間に渡り貴重なコラムをご執筆頂きまして、誠にありがとうござ
いました!
 津森先生には過去に妊婦向け白衣の開発などで、当メルマガにもご登場頂
いておりますが、島根大学でのこれまでの就労支援の取り組みをまとめて頂
いた論文を情報公開させて頂きました。ぜひご一読をおススメします♪ 
 当メルマガは、会員や読者による参加型の情報発信を目指しております。
皆様からぜひ載せたい記事やご意見等ありましたら、ご遠慮なくお申し出下
さい。どうぞよろしくお願いいたします!!(藤川)
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 NPO法人イージェイネット  http://ejnet.jp/
(特定非営利活動法人 イージェイネット(女性医師のキャリア形成・
 維持・向上をめざす会))
*NPO法人イージェイネットブログも更新中!
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(お問い合わせ先  ejnet-office@umin.ac.jp  メルマガ担当藤川)
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