特定非営利活動法人 イージェイネット(Ejnet)

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Ejnetメルマガバックナンバー・第80号

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◆◇NPO法人イージェイネット メールマガジン第80号◇◆
「時代をリードする医療人が働きやすい病院の作り方、お教えします」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2016/10/31  ━━
 
◆◇━━━━━━━━◆◇◆今月のニュース◆◇◆━━━━━━━━━◆◇
〔1〕『生き方を変えていくカウンセリングの効果』      
     ◆山の手クリニック 
                院長   中谷 晃  氏  
〔2〕イージェイネット事務局からのお知らせ 
   「医師・看護師向けカウンセリング講座」開講のお知らせ(第1報)
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[1] 『生き方を変えていくカウンセリングの効果』
      山の手クリニック 
                 院長  中谷 晃  氏  
 
 働きやすい職場づくりを目指すための一つのテーマとして間接的ではあるが
「疾患の根本原因の改善と薬に頼らない治療」について書いてみたいと思う。
 一般的にうつ病の治療には抗うつ薬を使用し、脳の神経伝達物質の中でも
セロトニンの再取り込みを阻害することで神経細胞と神経細胞の間のセロトニンの量を増やし、情報伝達を増強して抗うつ効果を発揮するとされている。しかし、こういった薬物治療は対処療法であり疾患の根本の原因が改善されているわけではなくうつ病の再発の可能性を下げることは難しい。また、少なからず副作用の問題もあることから、なるべく薬に頼らない治療を目指し当院では「心理カウンセリング」を15年程前から用いている。
 うつ病患者の心理的な特徴の一つとして彼らは「怒り」の感情を抑圧しており、
日常的に「怒る」ことや「怒り」を表すことがほぼ見られない。本来「怒り」という感情は、欲求や願望が満たされない時に湧く感情であり、生きていれば欲求や願望が満たされない事態は日常的にあるので、日に数回は「怒り」の感情を感じることが当たり前なのだが、彼らは幼少期よりあまり「怒り」の感情を感じずに過ごしてきている。その原因は、


・彼らが「怒り」の感情を表すことを養育者(多くは親)が嫌っていた
・養育者が苦労をしていて(両親や家族の不仲、忙しい親、親の病気)自分の欲求や気持ちを抑えるようになった
・優しい子として評価を受けていた
 
など様々であるが、代表的なものとしてはこのようなものになる。
 治療の方法として、この抑圧された「怒り」の感情を患者本人が認識し
表出し
ていくことを目指して面談を重ねていく。まずは、患者の日常の出来事や人間関係の中で本当は納得がいっていないことや拒否したいこと、あるいは本当は嫌だと感じている人物その他様々な「怒り」の感情を認識できそうな状況や場面を
探し、そのことについて振り返ってもらい、本当はどのように思ったのか、どん
な感情を感じていたのかを本人が探っていく。そして、その探り当てた感情を体
の外に吐き出していく。吐き出す方法は体の力を抜き、自分の中にある「怒り」
の感情を体の外に出すイメージで息を吐きながら自身の「怒り」の感情を体外へ
放出していく。こういったことを繰り返し、自分で自分の内面にある感情や思い
が認識できるようになり、日常的に自分で「怒り」の感情を処理できるようにな
れば、うつ病の症状はずいぶんと改善している。この頃には、患者は病前の性格
とは部分的に異なる性格になったと認識している。つまり、患者は自身の生き方
を見つめ直し病気になっていった自身の性格を見極め、病気にならない性格を
作っていっていると言える。
 多くの疾患の治療に必要なことは「生き方を変える」ことだと言ってしまって
も過言ではないのではなかろうか。この治療法は精神疾患のみならず、多くの身
体疾患、成人病の予防やがんの再発防止、認知症の症状緩和その他多くの疾患へ
対応可能である。
 
〈執筆者のご紹介〉
山の手クリニック院長  精神科医 中谷 晃  氏
患者の心の病と真剣に向き合い、約15年前より、対処療法より本当の治療を目指して、愛着のカウンセリングや感情処理法を使ったセラピーを自らのクリニックで実践している。いつも患者がどうしたら楽になるかを考える心優しい医師。
長崎大学医学部 卒
 
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[2]イージェイネット事務局からのお知らせ
 
「医師・看護師向けカウンセリング講座」開講のお知らせ(第1報)
             NPO法人イージェイネット 代表理事
 
 
 イージェイネットは、新規事業として、かねてから株式会社メンタルサポート研究所と計画していた「医師・看護師限定カウンセリング講座」を2017年1月に開講しますのでお知らせします。
 医師、看護師は医療現場のさまざまな場面で日々、患者さんやその家族などと向き合いますが、時には判断・行動に戸惑う困難な局面に直面します。しかしながら現在の医学教育の中ではそのような場面への対応方法を学ぶことはなく個々人が体験をとおして自分流でその場を切り抜けているのが現状です。
 一方、筆者はかねてより、同研究所のカウンセリング手法を用いることで短期間に患者さんの心理的課題が解決に向かうことが多い、ということに注目していました。
今回の講座では、メンタルサポート研究所で行われている感情処理法カウンセリング手法を用いて医療現場でよく遭遇するシーンにあてはめて解決に導くためのテクニックを学びます。
 想定シーンとしては、がん告知や死にゆく患者さんへの対応、患者さんからのクレーム、医師看護師のセルフケア、など全24回を予定しています。
 この講座は一般の医師、看護師はもちろんのこと、産休や育休中の方々が休業中にも新しい心理的手法を身に着けることによって復帰後のエンジン、起爆剤としていただけると考えます。
 本講座はメンタルサポート研究所との共同企画でイージェイネットの事業として行うものです。
来年1月にまず大阪にて開始しその後、東京でも開講します。
詳細は、12月にイージェイネットホームページにて告知いたしますのでご覧ください。
 
 
 *働きやすい病院評価事業(ホスピレート)説明会
  東京と大阪にて、働きやすい病院評価・認証の説明会を
  事前予約制にて開催しております。
  説明会参加の旨をお申し出いただきましたら、
  随時、個別にて調整をさせていただきます。
  詳細は、イージェイネット事務局までお問い合わせください。
 
【場所】株式会社アポプラスステーション 会議室
    〒102-0071 東京都中央区日本橋二丁目14番1号
                              フロントプレイス日本橋8階
    JR東京駅 八重洲地下街23番出口より徒歩7分
    地下鉄日本橋駅 D1出口徒歩30メートル(浅草線・東西線・銀座線)
    地下鉄茅場町駅 12番出口徒歩3分(東西線・日比谷線)
 
【大阪会場】
   説明会は2週間程度前までにお申し込いただければ、随時開催を致します。 詳細は、事務局までお問い合わせください。
 
【場所】 株式会社アポプラスステーション 大阪支店 会議室
    〒541-0043
    大阪府大阪市中央区高麗橋四丁目3番7号 北ビル5階
    大阪市営地下鉄 御堂筋線 淀屋橋駅12番出口より徒歩2分
 
※ メールマガジンの配信を当分の間、月刊から季刊に変更いたします。次回の配信は2017年1月です。
 
 
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(特定非営利活動法人 イージェイネット(女性医師のキャリア形成・
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